国際中獣医学位 日本校 理事長 陳 武 (中国本校学院長)
中獣医学(TCVM)には悠久の歴史があり、数千年にわたって中国と世界動物の健康と畜産業発展のために重要な貢献をしています。21世紀になり、動物、食品、環境の安全性が高まるなか、コンパニオン・アニマルの健康や治療のニーズが高まる中で、この歴史ある中獣医学は、再度、発展の春を迎え、国内外から広く注目されています。
1999年に中国農業大学の博士課程を修了したのち、私は北京農学院(BUA)という大学に就職しました。現代TCVMの最初の博士号を授与された者としてTCVMの伝承に深く自身の責任と義務を感じると同時に、国内外からの中獣医学を学びたいという要望を満たすために、重なる努力を経て、2001年に北京教育委員会の同意を得て「中獣医学国際研修研究センターの設立に至り、獣医鍼灸学や中薬学の教育を続けてきました。
2005年にアジア地方の伝統獣医学有識者がBUAに集まり、「アジア伝統獣医学会(ASTVM)」の設立を宣言しました。BUAはその永久事務局となり、私自身も2012年から事務局長を務めております。
2013年9月には「世界中獣医協会」がスペインのマドリードで創立されました。中国農業部と中国獣医師会の絶大な支持により、中国で初めの中獣医学科の博士課程指導教授である中国農業大学の王清蘭教授が初代の主席に選出され、光栄なことに弟子の私も常務理事に選ばれました。こうしてTCVMは新しい発展の時代を迎えました。
2014年5月、第5回アジア伝統的獣医学会が開かれる直前に、世界中獣医協会、中国獣医協会、中国農業部、北京小動物診療業協会、北京動物薬品協会などの代表が北京農学院に集まり、「中獣医学国際研修研究センター」を基盤に「国際中獣医学院」の創立に合意しました。そして本年2016年には国際中獣医学院 日本校が設立し、中獣医学の国際教育は新たな時代に入りました。
国際中獣医学院は中国各地の中獣医教育大学や研究所などの著名な専門家により共同構成された連合教育機関であり、臨床だけでなく、基礎研究や中薬開発などの中獣医学領域においても世界最強の布陣です。長年の臨床経験を積み重ね、この古くから伝わる中獣医学療法は、運動神経系疾患、免疫機能障害、難治性皮膚疾患、各種循環器系疾患、腫瘍性疾患、腫瘍性疾患など、コンパニオン・アニマルの疾病の治療に対して大きな成果をもたらしてきました。国際中獣医学院日本校では、これら素晴らしい経験と実績をもとに、TCVMのまさに正しい理解と学習の場を提供いたします。
今後、各地で国際中獣医学院が設立されていきます。そこで私たちは、TCVMの基礎の包括的な継承に重点をおいていきます。また現代獣医療とも密接に連携して実践し、中獣医学の教育内容を充実させ標準化し、統一したカリキュラムによって国際中獣医師と国際獣医鍼灸師を養成する事と資格認定することに注力します。
社会のニーズと多くの獣医療関係者が中獣医学を正しく認識して理解し、また国際中獣医学院の講師陣と受講生たちの(卒業後の)尽力によって、TCVMは必ずや動物健康と福祉のために不可欠な貢献となると、我々は確信しています。
<日本校理事長・中国本校学院長 陳 武>
原文はこちら ➡ 代表致辞董事长陈武
in English ➡ Message fron President Chen Wu
国際中獣医学院 日本校 校長 石野 孝
21世紀に入り、ペットの寿命が格段と延び、現在日本はペットの超高齢化社会を迎えています。それに伴い、ペットは人間と同じ病気を患うようになってきました。心臓病、肝臓病などの生活習慣病をはじめ、アトピー性皮膚炎、ガンなどの難治性の疾患も増えてきています。また、西洋医学的な検査や治療では解明できないような疾患も増えてきており、従来の西洋医学だけでは対応するのが難しくなってきています。一方、仏教とともに我が国に導入された中国伝統医学は、各時代の中国から、時には朝鮮半島や台湾を経由しながら渡来し、その中で日本独自の発展を遂げてきました。
1992年、私は中獣医学を習得するために中国内モンゴルにある大学に渡りました。ご存知のように内モンゴルには大草原があり、遊牧民は各地を移動しながら生活をしています。遊牧民の飼育している馬や羊、牛などを診察する獣医師も当然馬や車で往診に出かけなければなりません。もちろん大きな機器や薬を運ぶことは難しく、大草原の獣医師は、鍼を持ち、薬は草原にある薬草を使うしかありませんでした。このような背景から、内モンゴルでは中獣医学が特に発達した地域でした。
私が留学した当時は、インターネットもなく、中国の開放改革制度もまだ地方には浸透していない時代でしたので、自分の必要な中獣医学の資料を探すのは困難を極めました。また、言葉の壁も大きく、大学の先生方や同級生との交流も苦労しました。
そんな中、帰国時に200㎏を超える中獣医学の文献を日本に持ち帰ることができ、それをもとに2011年に医道の日本社より「ペットのための鍼灸マッサージマニュアル」を出版することができました。
今回、国際中獣医学院日本校を開校するにあたり、30年来の旧友でもあり、中国本校の陳 武博士に全面的にご支援いただくことができ、日本の獣医師の皆様にも正統派の中獣医学をわかりやすく習得していただくことができるようになりました。
西洋獣医学が発展した昨今、今では西洋医学が中獣医学を必要としている時代になっています。
本校では、中獣医学を学ぶとともに、日本発信の中獣医学を広く海外に発信していくことを目指しています
<日本校校長 石野 孝>
受講生の皆様へ ~ 陳武(日本校理事長・中国本校学院長)からのメッセージ
(2017年05月16日)
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